KitsShino

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マリファナ合法化から2ヶ月で見えてきた本音

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カナダ全土でマリファナが合法化されてから、2ヶ月経過。バンクーバーで生まれ育ち、これからマリファナが酒やタバコと同じレベルで入手可能な環境で成長していく息子(現在11歳)を持つ母親としては、この合法化によって、どのようにバンクーバー社会、特に子供達を取り巻く環境が変化しているのか興味深く観察中。合法化される前にも、まるでコンビニの様にディスペンサリーと呼ばれるマリファナ及び大麻製品が購入できるお店が街のあちこちにオープンし始め、街を歩けばタバコの煙より、マリファナの煙の匂いが日常的な環境。合法化に踏み切られる直前には、日本領事館からのメール(大麻取締法は、海外でも適用という内容)、各職場でもマネジャーや人事課から「マリファナ(THC)の影響下で職務についてはならない」とか「マリファナ(THC)が体から抜けるまで6時間かかるので、その間の運転などは控えるように」などの注意を促すメールが送られてきたり、ニュースではマリファナとそれに関する法律についての討論番組が連日放送されていたので、普段、マリファナを 嗜まない一般市民の私たちも、ある程度の知識を持ちながら、その日を迎えた。

ところが、1970年代、80年代を日本で過ごしたアラフィフ世代は芸能人が大麻所持で逮捕などのニュース程度の知識、多分、アラフォー世代だってせいぜいその程度の知識でカナダへ渡ってきたことだろう。カナダ育ちの子供が成長して悪戯心でマリファナに手を出したのを知った日本人親が、腰を抜かしそうになったという話も、あちこちから聞こえてくる。これは、最早、世代間の差だけでは埋められない。日本で育った親世代からすれば、所持していただけで逮捕もあり得るという認識の「マリファナ」を中学生、高校生の自分の子供がやっているのだから、天地がひっくり返るほどのショックだろう。そして、マリファナ文化と隣り合わせで育ってきた子供世代にしたら、アルコールやタバコに手を出すのと何ら変わりはないのだから、親子間の、そして、日本育ちと北米育ちの溝は埋められない。

私自身は、マリファナとの出会いは意外に早く、15歳で初めてアメリカに渡り現地の同年代の子達と教会が主催するサマーキャンプに参加した時だった。夕食後、そだぞれお手本になるボランティアが率いる小さなグループに分かれて、聖書の勉強や、祈りの会、礼拝の時に伴奏する楽器の練習などをしながら過ごすのだが、たまたま私が入った聖書研究グループは、キャンドルを灯し、ジョイント(紙巻タバコの形のマリファナ)が廻ってくる類のグループ(笑)。18歳でアメリカに戻り大学の寮生活を始めた時も、週末になるとどこからかマリファナの匂いが漂ってきたが、興味を持ったりハマることもなかった。今考えると、日本では犯罪だからというよりも、特にやる必要がなかったという冷めた理由からでそれ以上でも、それ以下でもなかった。もう何年かしたら、息子も成長して親への隠し事も増えていくだろう。息子の周りでも、すでに隠れて電子タバコVAPEを吸ってる子がいるとか、色んな話が聞こえてくると不安もないわけでは無い。だからと言って部屋に閉じ込めて勉強ばかりの純粋培養というわけにもいかないので、とりあえず、周囲からのプレッシャーに流されない強い意志と判断力をつけるために精一杯サポート!親にできることは、悲しいが非常に限られている。

さて、マリファナ合法化から2ヶ月経ってみて、一般市民の生活はそれほど変化したように感じない。私が住んでいるマンションは全館禁煙なので、医療用のマリファナは喫煙以外の方法で服用が義務付けられている。街中でも相変わらずマリファナの匂いはするが、その料金が政府に納められて自分達に還元されるのだと思えば、そんなにイラっともしない。でも、出来ることならもっと詳しく、頻繁に脳への影響や体への悪影響などを若い世代に啓蒙していって欲しい。周囲を見ても、合法になったからと言ってマリファナ嗜好人口が増えた気もしないので、日常的に私たちへの影響は感じない。だからと言って、日本にマリファナ合法化の門戸を開いて欲しいかというと、それはNO! 何故なら、日本の薬物乱用の少なさと、銃規制はまさに奇跡的!世界に誇れるレベル!なので、日本の良さは残しておくべき・・・と日本から離れて久しい私は強く思っているのでした。